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ドーピングについて

Q.ドーピングとは何ですか?

ドーピングは、スポーツにおいて禁止されている物質や方法によって競技能力を高め、意図的に自分だけが優位に立ち、勝利を得ようとするものです。また、そのような行為を隠す行為を指します。 ドーピングは、フェアネスの精神に反し、自分自身の努力や、チームメイトとの信頼、競い合う相手へのリスペクト、スポーツを応援する人々の期待などを裏切る、不誠実で利己的な行為です。

Q.ドーピングは何故いけないのですか?

ドーピングが蔓延すると、フェアなスポーツは成立しなくなります。そして、スポーツの土台を支える「フェア」が無くなってしまうと、その上に築かれている、スポーツが持つ多様な価値は壊れてしまいます。それは、スポーツの社会的な信用を失墜させることにもつながります。さらに、ドーピングは健康上の被害を引き起こす可能性がある危険な行為でもあるのです。

Q.禁止物質・禁止方法を教えて下さい

禁止物質・禁止方法は、世界ドーピング防止機構(WADA)の禁止表に掲載されており、次の3つに分類されています。 I.常に禁止される物質と方法(競技会(時)および競技会外) II.競技会(時)に禁止対象となる物質と方法、 III.特定競技において禁止される物質です。 WADAの禁止表は、毎年1月1日に更新されます。

検査について

Q.ドーピング検査はどういうものですか?

ドーピング検査は尿や血液を採取し、これをWADA認定分析機関で分析します。ドーピング検査には「競技会検査」と「競技会外検査」とがあります。 「競技会検査」ではすべての禁止物質と禁止方法が対象となりますが、「競技会外検査」では、禁止表のⅠ.常に禁止される物質と方法(S1.蛋白同化薬、S2.ペプチドホルモン、成長因子および関連物質、S3.ベータ2作用薬、S4.ホルモン調節薬および代謝調節薬、S5.利尿薬および隠蔽薬、M1.血液および血液成分の操作、M2.化学的および物理的操作、M3.遺伝子ドーピング)が対象となります。

Q.ドーピング尿検査はどのように行われますか?

ドーピング検査は、以下の流れで行なわれます。 通告 : 検査対象者は競技終了後にシャペロンから通告されます。 受付 : 通告されたら、速やかにドーピング検査室に行かなければなりません。検査を拒否するとドーピング防止規則違反とみなされます。検査室には1人の付き添いが認められます 採尿 : 採尿カップを選び、同性の検査員の立会いのもとにトイレで採尿します。 分注・封印 : サンプルキットを選び、尿をA・B二つの検体用ボトルに分注し、封をします。 薬物の申告 : 7日以内に使用した薬物とサプリメントを申告します。 コメント : 検査手続き中に気づいたことがあれば、補足報告書に記入します。 署名 : 公式記録書の記載内容、手続きに問題がなかったかを確認して署名します。アスリート用の写しを大事に保管してください。

Q.競技会外検査とはどういうものですか?

ドーピングによる不正をより効果的に防ぐため、またアスリートのクリーンさを証明するため、トレーニング期間中などに検査が行われます。対象アスリートより提出された居場所情報などに基づき、事前の通告なしに実施され、採尿等の手続きは競技会検査と基本的に同じです。

Q.ドーピング検査で陽性になったらどうなりますか?

ドーピング検査時に、アスリートの検体はAとBの2つに分けられ、それぞれ保管されます。A検体の分析結果に疑わしい所見が見られた場合、アスリート本人に通知が届き、本人が要求すればB検体の確認分析が行われます。B検体もA検体と同じ所見であれば、世界アンチ・ドーピング規程や、各国際基準に則って、違反の有無や、違反だった場合には資格停止を受ける期間などが公平な環境で判断されることになります。 アンチ・ドーピングのルール違反をすると、成績の自動的抹消や、スポーツの活動が一定期間中できなくなります。

治療薬の服用について

Q.治療のため、どうしても禁止物質を使用したいのですが?

治療のために禁止物質がどうしても必要な場合には、治療使用特例(TUE)を申請します。TUEの付与には条件があり、申請後、審査を経て付与が認められれば、使用することができます。 また、国際大会に参加するアスリートは国際競技連盟などに提出する必要がありますので、所属競技団体に問い合わせてください。

Q.ぜん息治療薬の注意点は何ですか?

  1. 吸入サルブタモール、吸入サルメテロール、吸入ホルモテロールおよび糖質コルチコイドの吸入は用法用量を守って使用するかぎりは、禁止されていません。よって、これらの薬を用法用量を守って吸入使用する際は、TUEは不要です。
  2. 「吸入サルブタモール、吸入サルメテロール、吸入ホルモテロール」以外の吸入ベータ2作用薬を使用する際は、あらかじめ医療情報を添えて、TUE申請が必要です。JADAへの提出には、「気管支ぜん息治療に関するTUE申請のための情報提供書」をダウンロードして使用してください(詳細については、こちら→リンク(アスリートサイト アスリートに必要な手続き TUE))。TUE付与のためには、禁止されていない薬剤では代替えできない医学的理由が必要です。

Q.風邪のときはどうしたらよいですか?

禁止物質を含まない薬がありますので、症状に応じて医師から適切な処方を受けてください。その際には、①自分がドーピング検査の対象となる可能性があること ②禁止物質が含まれてない薬を処方してほしいことを伝えてください。 医師がアンチ・ドーピングの知識を十分に持っていない場合は、公認スポーツファーマシストとの連携を依頼するようにしましょう。公認スポーツファーマシストは、最新のアンチ・ドーピング規則に関する正確な情報・知識を持った薬剤師です。

Q.関節に注射をしたときはどうしたらよいですか?

注射する薬剤を確認してください。糖質コルチコイドは経口使用、静脈内使用、筋肉内使用および経直腸使用が禁止されています。これら以外の使用方法(関節内注射、関節周囲注射、腱周囲注射、硬膜外注射、皮内注射、吸入など)は禁止されていませんので、TUEは不要です。

Q.治療のために医師から薬を処方されていますが、大丈夫ですか?

病気の治療薬にも禁止物質があります。たとえば、(1)糖尿病治療薬のインスリン、(2)ぜん息治療薬の内服薬・吸入薬・貼付薬・注射薬、(3)痛風治療薬のプロベネシド、(4)高血圧治療薬の利尿薬・ベータ遮断薬などです。 処方される薬については主治医から良く説明を受けて、薬物名を記録しておきます。なお製品に関する問い合わせ先は、「薬について問い合わせ」のページを参照に、またGlobal DROでも検索してみましょう。

Q.点滴(静脈内注入)をしたときはどうしたらよいですか?

「静脈内注入(点滴)」という方法と、「注入した薬剤」について確認が必要です。
  1. 「静脈内注入(点滴)」について・・・12 時間あたり計100mL を超える静脈内注入(点滴)は禁止されています。しかし、入院設備を有する医療機関での治療およびその受診過程、外科手術または、臨床検査の過程において正当に受けるものは禁止されず、TUEは不要です。医療機関以外あるいは無床診療所で12 時間あたり計100mL を超える静脈内注入(点滴)をした場合は遡及的TUEが必要です。
  2. 「注入した薬剤」について・・・注入(点滴)した薬剤について禁止物質が含まれるか否かを確認してください。禁止物質が含まれる場合には、その物質に対する遡及的TUE申請が必要です。

Q.花粉症の治療をしたいのですが、どの薬であればドーピングになりませんか?

①病院の場合 医師に自分がドーピング検査の対象となる可能性があるため、禁止物質が含まれない薬を処方してもらうよう伝えてください。 医師の禁止物質に対する知識が乏しい場合は、「薬剤師会アンチ・ドーピングホットライン」または「スポーツファーマシスト」に問合せてもらえるよう伝えましょう。 ②ドラッグストアや薬局の場合 薬に禁止物質が含まれていないか「薬剤師会アンチ・ドーピングホットライン」または「スポーツファーマシスト」に問合せて確認しましょう。 事前にスポーツファーマシストが在籍する薬局を「スポーツファーマシスト検索ページ」で調べておくと、いざという時安心です。 また、Global DROを活用し、処方してもらった薬や購入した薬の成分を自分で確認しましょう。

Q.大会直前に病院で「糖質コルチコイド」を関節内に注射しました。どうしたらいいですか?

医師に医療記録(カルテ、様式任意)の保存を確認してください。 糖質コルチコイドの関節内注射は禁止されていませんので、TUEは不要です。 しかし、競技会ドーピング検査の結果、糖質コルチコイドが検出された場合は、1.JADAがアスリートに使用状況を問合せ、2.アスリートは関節内使用の証明書(医療記録のコピーなど)をJADAに提出し、3.JADAが検出結果とその証明書とが矛盾しないかを確認し、関節内使用かどうかを判断します。JADAが関節内使用であると確認した場合は、アスリートは違反なしと判断されます。 上記の②において医療記録が必要となるため、アスリートは必ず医療記録の保存を医師に確認してください。

Q.薬の使用についての問い合わせ先は?

薬について問い合わせ」のページを参照下さい。