2026.03.18

【学ぼうシリーズ】ドーピングに関する懸念を共有するために声を上げること(Speak Up)

世界アンチ・ドーピング規程(Code)に書かれたクリーンスポーツに関する「11トピックス」とは、スポーツに参加・関わるアスリートやサポートスタッフが知っておくべきクリーンスポーツに関する内容を分類したものです。JADAではその11トピックスをわかりやすく7つのトピックスに分けて、クリーンスポーツ・アスリートサイトに掲載しています。
今回は、7つのトピックス中「スポーツを守る・創る」のカテゴリーとして分類されている「ドーピングに関する懸念を共有するために声を上げること(Speak Up)|JADAクリーンスポーツ・アスリートサイト」について学んでいきましょう!

皆さんは、周りの友人や家族には相談しにくい何か不安なことがある場合、どうしますか?
ネットで検索してみる、AIに聞く、専門家や相談窓口に連絡してみる、どうにもならないから考えることをやめる等...色々と考えられますね。
自分のスポーツについてはどうでしょう。
自分の競技・スポーツに関わるアスリートやサポートスタッフが、本当にフェアでクリーンなのか疑問に思ったり、不安になったり、心配するような出来事があった場合、皆さんはどうしますか?

例えば、

  • アスリートAがスポーツで禁止されている薬を使っているという噂(うわさ)を聞いた
  • アスリートBの指導者には、Bがドーピング検査を回避することを手伝っているような言動が見受けられる
  • アスリートCは、スポーツで禁止されている物質が入っているサプリメントを、SNS上で非常に良いものだと紹介している
  • 自分の指導者から、スポーツで禁止されている物質を含んでいる薬を飲まないと、次の大会には出場させないと言われた
  • 自分の先輩アスリートから、ドーピング検査を回避するために協力して欲しいと言われた

上記のようなアスリートやコーチの噂を聞いたり、直接自分が言動を見聞きした場合、皆さんはどの行動を選びますか?

1.本人に直接聞く 2.本人のチームメイトに聞く 3.誰かに相談する 4.何もしないの選択肢イラスト

該当するアスリートや指導者と皆さんの関係性や距離感により、どうするかは異なるかもしれませんが、12を選ぶのはなかなか難しいかもしれません。
巻き込まれたくないから、自分には直接関係ないから、あくまでも噂(うわさ)だから、指導者の話だから、先輩だから等の理由で、4を選ぶ人もいるかもしれません。

「ドーピングに関する懸念を共有するために声をあげること(Speak Up)」とは?

ここで一度、本記事のタイトル「ドーピングに関する懸念を共有するために声を上げること(Speak Up)」に出てくる言葉を3つに分けて、それぞれの意味を見ていきましょう。

  • 「ドーピングに関する懸念」=自分のスポーツや関わっているアスリート・サポートスタッフがクリーンでフェアということについて、「本当にそうなのか?」と疑問に思ったり、不安になる・心配すること。
  • 「共有する」=その疑問・不安・心配を自分の中だけで終わらせず、誰か・どこかに伝えること。
  • 「声を上げる」

以下英語のSpeak Up訳(Oxford Learner's Dictionary (2026年3月4日閲覧、著者訳))が、アンチ・ドーピングにおける意味を考える際にはわかりやすいかと思います。
Speak Up(声をあげる)= ①通常誰かにもっと大きな声で話すよう伝えるために用いられる ②特に誰かや何かを支援したり守ったりするために、考えをはっきりと自由に言うこと
アンチ・ドーピングにおけるSpeak Upは、2つ目の意味合いが強いものになり、「確信があるときだけの行動」では決してありません。

この記事を読んでいる皆さんには、他のアスリートやサポートスタッフが本当にフェアでクリーンに自分たちの競技スポーツに携わっているのか疑問に思ったり、不安・心配になるような出来事があった際は、「3誰かに相談する」ことで、自分だけではなく仲間や自身のスポーツの未来を守り、クリーンスポーツ環境を維持するために協力いただきたいと思います。

相談先は?

では、誰・どこに相談したら良いのでしょうか?

※ドーピングに関する懸念を共有する窓口を持っているIFもあります。自分のIFにそのような窓口があるかどうか確認してみてください。

もしかすると、自分が上記の窓口に相談したり情報を提供したりすることで、相手がすぐに規則違反と決めつけられたり、根拠が不十分なまま相手が不利益を受けたりするのではないか?と不安に思う方もいるかもしれませんが、1つの情報だけですぐに判断され結論が出るわけではありません。

どのように判断するか、追加の調査の有無、方法等については、情報を受け取った側が検討・実施することになります。
つまり、今まで蓄積した情報に加えて、皆さんが提供する情報により解決にたどりつく場合もあるかもしれませんし、皆さんが共有した情報が起点または追加情報となり、その後も様々な情報を蓄積したり、調査を積み重ねることで判断・解決されていく場合もあるということです。

どんな情報を提供できるか、情報を提供した人がどのように守られているかについては、こちらに記載されています。

Speak Up! ~クリーンでフェアなスポーツを守るため~

Speak Upは、自分にとってあまり縁のないことだと思っている方も多いかもしれませんが、実は皆さんにとって身近なクリーンスポーツとクリーンアスリートを守る行動の1つです。
ドーピングに関して何か懸念がある場合には「何もしない」のではなく、適切な窓口に相談・情報共有をしてみてください。皆さんの勇気と行動で、クリーンでフェアなスポーツとアスリートの未来を守っていきましょう!

(本記事は、日本スポーツ振興センター スポーツ・インテグリティ・ユニットさまご協力のもと作成しました)

※11トピックスについては、11トピックスウェビナーで詳しく解説しています

クリーンスポーツに関する11トピックスの図

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