本ページは世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の「ADAMS Privacy and Security FAQ」をもとに制作しています。
詳細については、そちらを確認ください。

1. ADAMSとは

ADAMSは、WADAによって運営・管理されている一元化された情報プラットフォームです。ADAMSは、アンチ・ドーピングプログラムに関わる全ての関係者やアスリートの活動を簡易にするため、クリーンスポーツを支援しています。「ADAMS」には、Athlete Centralのように、ADAMSと統合された関連モバイルアプリケーションも含みます。

ADAMSは、安全で、アンチ・ドーピングプログラムを調整、効率化し、世界中のアンチ・ドーピング・プラクティスを調和させるために構築されています。そして世界アンチ・ドーピング規程と国際基準のルールを基盤としています。

ADAMSを誰が使用するか、クリーンスポーツをどのようにサポートするか、どのような情報が収集され、利用され、ADAMSで共有されるかについては、以下を参照してください。

2. 誰がADAMSを利用するか

①アスリートとサポートスタッフ

組織された競技に参加するアスリートは、アンチ・ドーピング規則を遵守する責任を負う。サポートスタッフには、競技大会の準備及び参加するアスリートをサポートするいかなる者(アスリートがアンチ・ドーピング規則を遵守することをサポートする者を含む)も含まれる。コーチ、トレーナー、エージェント、親などがその例である。

②競技連盟

競技連盟は、自身の競技においてアンチ・ドーピングプログラムを適用し、実施する責任を負う組織である。国際競技連盟(IF)は、世界アンチ・ドーピング規程の署名当事者であり、アンチ・ドーピング機関(ADO)の一種である。IFは、国内競技連盟や各大陸の競技連盟と連携し、アンチ・ドーピングプログラムの調整を支援することがある。

③国内・地域アンチ・ドーピング機関

国内アンチ・ドーピング機関(NADO)は、各国でアンチ・ドーピングプログラムを適用し実施するために各国によって指定された組織である。また、世界アンチ・ドーピング規程の署名当事者であり、ADOの一種である。地域アンチ・ドーピング機関(RADO)は、NADOによって指定され、各国アンチ・ドーピングプログラムの特定の分野を調整・管理する地域機関である。

④主要競技大会機関

主要競技大会機関は、国内オリンピック委員会の大陸別連合協会や、その他の複数のスポーツを所管する国際的な機関である。これらのスポーツイベントでのアンチ・ドーピングプログラムの実施に責任を持ち、世界アンチ・ドーピング規程の署名当事者であり、ADOの一種である。

⑤WADA

WADAは、クリーンスポーツのための協調的で世界的なムーブメントを主導する任務を負っている。その具体的な役割は、ADAMSの運営・管理、世界アンチ・ドーピング規程及び国際基準の署名当事者による遵守状況のモニタリング、アンチ・ドーピング調査、教育の推進・実施などである。WADAは、またADOでもある。

⑥WADA認定分析機関とAPMU

分析機関はWADAの認定または承認を受けている。分析機関は、アンチ・ドーピング目的で収集された検体について分析を行い、その結果をADAMSに報告する業務を行っている。アスリート・パスポート・マネジメント・ユニット(APMU)は、ADOを代表してADAMSのアスリートバイオロジカルパスポートを管理するため、認定分析機関に設置されたユニットである。

⑦その他の組織

このカテゴリーには、ADOのアンチ・ドーピングプログラムの特定の領域の実行にあたり、ADOがADAMSを利用することを許可した他の団体または個人が含まれる。例えば、民間のアンチ・ドーピングサービス提供者、専門家、ドーピング検査員又は他の請負業者が含まれる。

3. ADAMSで取り扱われる情報と、その収集、利用、共有

ADAMSで収集される情報の種類、利用方法、共有方法は、世界アンチ・ドーピング規程と国際基準で定められたアンチ・ドーピングルールに基づいている。これらのルールには、ADAMS 内で自動化された情報共有のルールが含まれる。たとえば、ADAMSに分析機関からアップロードされた分析結果は、ドーピング検査を管轄するADO(検査管轄機関)と、その検査に関連する結果管理を実行する責任があるADO(結果管理管轄機関)へと自動的に共有される。

<ADAMSで取り扱われる情報>

アスリートプロファイル

なぜ情報が収集される?

基本的な人口統計学的情報を収集し、ADAMSにおいてアスリートを適切に特定し、必要に応じてアスリートに連絡を取ることが可能とするために収集される(例えば、違反が疑われる分析結果や居場所情報関連義務違反の通知や、ドーピング検査の検体採取のためにドーピング検査員から連絡を取る必要がある際に活用される)。
アスリートプロファイルは、アンチ・ドーピング機関またはADO (通常は、国内アンチ・ドーピング機関または国際競技連盟)によって作成される。

どんな情報をいつ収集?

あなたのADAMSプロフィールは、あなたのプロフィールを作成するアンチ・ドーピング機関(ADO)によって入力され、ドーピング・コントロールのセッション中に提供される情報によって完了する。

以下のタイプの情報が含まれる:

  • 氏名、生年月日、性別、競技/種目、国籍
  • ADAMS ID及び該当する場合はバイオロジカルパスポートID
  • 連絡先(住所、メールアドレス、電話番号)
  • 競技レベル、関連組織、関連エージェント等
  • (ドーピング・コントロールセッション中またはADOにこの情報を提供する場合)関連するアクレディテーションの番号、競技会における氏名、障がい者及び障がい者クラス情報、及び顔写真

誰に情報が共有されるか

プロフィール情報には、アカウントを作成した組織(Whereabouts Custodian またはWC とも呼ぶ)、WADA、各国アンチ・ドーピング機関、及び国際連盟がアクセスできる。あなたのWC は、あなたのプロフィールを、他のスポーツ団体(例えば主要競技大会機関や国内競技連盟など)と、必要に応じて、アンチ・ドーピングの目的で共有することもできる。もしWCによってADAMSアカウントが与えられている場合、あなたはADAMS内でいつでも直接、自身のプロフィールを閲覧することができ、どのADOや第三者機関があなたの情報にアクセスできるかを、あなたのプロフィールの「セキュリティ」または「アクセス権を持つ組織」タブに行くことで確認することができる。また、あなた自身のプロフィールをエージェントや医師と共有するようにWC に依頼することもできる。

検査計画

なぜ情報が収集される?

ADAMSの検査計画モジュールにより、ADOは、検査権限のあるアスリートに対してドーピング管理の重複を避け、検査計画、調整、モニタリングを行うことができます。検査権限を持つADOには、各国アンチ・ドーピング機関、国際連盟、主要競技大会組織が含まれる。複数のADOがあなたへドーピング検査を実施する権限を持つことができる。

どんな情報をいつ収集?

検査及びドーピング調査に関する国際基準(ISTI)では、検体採取セッションごとに特定の情報を記録することが定められている(これは通常、ドーピング・コントロールフォーム(DCF)、通告フォーム、アスリートバイオロジカルパスポートの補足報告書の組み合わせによって達成される)。検体採取セッションの後、この情報はADAMSに入力され、アスリートのプロフィールに紐づけされる。

記録される情報には以下のものが含まれる:

  • アスリートの識別情報及び連絡先情報(競技者プロフィール参照)
  • ドーピング検査の種類(競技会検査または競技会外検査)
  • 通知と検体封印の日時、種類
  • 検体コード番号、検体の種類、分析機関での情報(例:尿サンプルの場合、量や比重)
  • アスリートがDCFに記載した「7日間以内に摂取した医薬品、及び/またはサプリメントの記録」、「過去3カ月間以内に行った輸血の記録」、「検査手順についてのコメント」、「ドーピング調査への同意」
  • 該当する場合、標高が高い地域への滞在や極端な環境条件にさらされた場合など、アスリートバイオロジカルパスポートの血液検体分析に関連する応答、及びドーピング検査員からの追加コメント

ADAMS検査計画モジュールには、関連するミッション/検査オーダー(アスリートの身元確認、ドーピング検査の開始/終了、検査の種類、競技会スケジュールの詳細、検査の予定場所、必要に応じて検体採取セッションを実施する際の手順に影響を与えるかもしれないアスリートの障がいの詳細、または検査ミッション期間に関連するアスリートの居場所)が含まれ、また各検体の証拠保全保管文書も含まれ得る。

誰に情報が共有されるか

競技者に対して検査権限を持つADOは、検査スケジュールにアクセスでき、必要に応じて検査を調整するために他のADOとこれらの計画を共有することができる。検査権限機関、結果管理権限機関(RMA)、及びWADAは、DCF及び関連する検査結果にアクセスできる。アスリートは、自らのRMAにより承認された場合、ADAMSにおいて完了した過去の検査リストにアクセスすることができる。ADAMSでアスリートのプロフィールにアクセスできる他の組織も、終了した検査のリストにアクセスすることができる(ただし、DCFや検査結果にはアクセスできない)。

分析結果

なぜ情報が収集される?

ADAMSの分析結果モジュールは、分析結果の機密性と完全性を維持するために特別に設計されている。分析機関は、アスリートの氏名ではなく、検体コードに関連する分析結果を確認、入力することしかできず、結果を入力した分析機関以外の組織によっては、これらの結果を修正することはできない。

どんな情報をいつ収集?

分析機関は、分析結果を分析報告書としてADAMSにアップロードする。これらの報告書には、検査及び検体の種類に応じて、分析機関に関する国際基準(ISL)に基づいて必要とされる、以下の種類の情報が含まれる:

  • アスリートの識別情報及び連絡先情報検体コード、検体の種類、検体に関する分析機関情報(例:尿検体であれば体積、比重)
  • 性別、年齢、競技/種目
  • 検体採取した日と国
  • ステロイドプロファイルまたは血液変数(該当する場合) 、分析結果を評価するために分析機関から提供されるその他の情報(試験方法、交絡因子、意見またはコメントなど)を含む分析結果
  • 違反が疑われる分析結果報告(AAF)、非定型報告(ATF)、陰性報告、または分析されなかったとされた分析結果の適格性

誰に情報が共有されるか

ADOから独立した分析機関は、分析結果を入力し修正できる唯一の組織である。分析機関は、AAFまたはATFを報告する前にセカンドオピニオンを要求することができる。この場合、彼らは、分析機関情報を第二の分析機関と共有することができる。これはADAMS以外で起こり、該当する分析機関が管理する。

分析機関はISO認証を受けていなければならず、WADAの認定または認可を受けなければならない。これには、ISLの下での具体的な守秘義務とセキュリティ要件を満たすことも含まれる。検査権限機関、結果管理権限機関、及びWADAは、分析機関が提出したあなたのプロフィールに紐づけされている全ての検査結果を閲覧することができる。

居場所情報

なぜ情報が収集される?

ドーピング検査の計画、調整、実施(特に、競技会外の検査)、アスリートバイオロジカルパスポートや他の分析結果の分析支援、あるいはアンチ・ドーピング規則違反の捜査や手続きのサポートのために利用される。

全てのアスリートが居場所情報を提供することが求められているわけではない。ADOの登録検査対象者リスト(高レベル競技者)のアスリートは、検査及びドーピング調査に関する国際基準に規定されているように、完全な居場所情報を提供することが求められる。他のアスリートは、他のプールに配置され、居場所情報の提出が求められることがある。これらのルールは各ADOによって定められ、継続的に見直されなければならない。

どんな情報をいつ収集?

検査及びドーピング調査に関する国際基準に基づき、該当するアスリートは四半期ごとに以下の情報を提出することを求められることがある:

  • 連絡先の住所とメールアドレス
  • 宿泊先住所
  • 1日のうち、アスリートがドーピング検査に対応できる1時間枠と住所
  • トレーニング、仕事、学校など、定期的な活動の場所の住所
  • 競技日程・場所の詳細
  • 選手が検査を受けることができない場合に連絡を取ることができる、指定された個人の名前と連絡先の詳細

誰に情報が共有されるか

あなたがADAMSアカウントを持ち、居場所情報を提出する必要がある場合、あなたが承認した代理人が、ADAMS の居場所情報モジュールにフルアクセスでき、この情報をいつでも入力及び変更することができる(ADAMS またはAthlete Central のような関連するモバイルアプリケーションにおいて)。

あなたのアカウントを作成した組織(Whereabouts Custodian またはWC とも呼ぶ) とWADAは、ADAMS で入力された場所を確認できる。また、WC は、検査権限を持つ他のADO にも、ドーピング・コントロールを計画及び調整するために必要に応じて、アスリートの居場所情報を確認することを許可することができる。

治療使用特例(TUE)

なぜ情報が収集される?

世界アンチ・ドーピング規程及び治療使用特例に関する国際基準(ISTUE)において定める条件が満たされている場合、治療使用特例(TUE)として、治療目的で使用する禁止物質または方法をアスリートが使用することを認めている。TUE ADAMSモジュールは、TUE付与を相互に認め合うことを容易にし、彼らのレビューに関連した活動の重複を避けるために、TUE付与の決定が適切に記録されることを保証する。

どんな情報をいつ収集?

TUEを申請するアスリートは、申請書に以下の情報を記入する必要がある:

  • 診断と医薬品の詳細(禁止物質名・量・投与ルート・有効期間・処置期間);
  • 診断医師の宣言(名前、連絡先、専門分野を含む)
  • 医療情報(既往歴、関連する検査、画像検査の結果、該当する場合、医療報告書原本または手紙を含む)

この申請書と医療情報は、ADOによりADAMSにアップロードされ、あなたのプロフィールに紐づけされます。また、この情報を入力したADOは、アスリートレベル、関連する禁止物質または方法の情報、及び関連する次回の競技会の詳細を確認するよう求められる。

審査の結果、TUE付与または付与されなかったことについて、その判定書と決定は、ADAMSにも掲載される。

誰に情報が共有されるか

ADOからADAMSアカウントを授与されたアスリート及び承認された医師は、ADAMS内のTUEモジュールにアクセスし、申請書及び全ての医療情報を提出することができる。また、ADOは、TUE申請書を提出するために、異なるチャネル(メールや電子メールなど)を提供することもできる。

ADO及びWADAは、アスリートの申請及びTUE委員会(Therapeutic Use Exemption Committees)による本申請に関する決定を閲覧することができる。TUE委員会は、TUE申請を評価するアスリートの治療に適切な経験を持つ医師から構成されるパネルである。ADOとWADAは、それぞれ独自のTUE委員会を持ち、ADAMSの外で発生するこれらのTUE委員会とTUE情報を安全に共有する責任がある。

もし、あなたが新たなADOによって承認されなければならない既存のTUEを持っている場合(例えば、あなたが国内レベルから国際レベルのアスリートに移行し、国際連盟があなたのTUEを承認する必要がある場合)、TUEを付与したADOは、ADAMSを通して新たなADOが、あなたのTUEへのアクセスを承認することができる。

アスリート・バイオロジカル・パスポート

なぜ情報が収集される?

ADAMSのアスリートバイオロジカルパスポート(ABP)モジュールは、禁止物質や禁止方法の使用を検出する分析方法を補完する。それは、ターゲット検査やドーピング調査への情報提供、あるいは、それ自体で禁止物質/方法の使用を確立するために使用することができる。ABPは、検査権限機関に関わらず、ABPの要件を満たすアンチ・ドーピング目的で収集された全ての検体から、ドーピングに関連する血液及びステロイドの生物学的マーカーに関する情報を照合する。

パスポートは、WADA認定分析機関の特別ユニットであるアスリート・パスポート・マネジメント・ユニット(APMU)によって管理される。分析結果と同様に、アスリートの名前ではなく、パスポートのIDによって情報は閲覧される。

どんな情報をいつ収集?

ADAMS のABP モジュールには、次のタイプの情報が含まれている:

  • バイオロジカルパスポートID
  • 性別、年齢、競技/種目
  • 関連する分析結果、検体コード、ドーピング・コントロールフォーム
  • 血液及びステロイドのバイオロジカルマーカー値及び比率

APMUはまた、バイオロジカルマーカー値の評価に関連する特定の居場所情報を提供するよう、結果管理権限機関に要求することができる。

誰に情報が共有されるか

分析機関と同じく、APMUは、ADOから独立しており、WADAの承認手続きを受けている。パスポートの評価の一環として、APMUは独立した専門家に対して、ADAMS経由でパスポートへのアクセスを提供することができる。APMU及びそれらに従事する専門家はいずれも、秘密保持義務を含む倫理規程を遵守することが求められる。

パスポートの結果管理を担当するADO は「パスポート管理者」(PC) と呼ばれ、WADAと共にパスポートとアスリートプロフィールを紐づけた内容を表示することができる。PCは、必要に応じて他のADOとパスポートを共有することもできる(たとえば、NADOやIF)。結果管理権限機関から許可を受けた場合は、アスリートはADAMSアカウントを介して血液パスポートマーカー値に一定のアクセス権を持つことがある。

結果管理

なぜ情報が収集される?

結果管理モジュールは、陽性の検査結果の協調的な管理とアンチ・ドーピング規則違反(ADRV)の制裁を促進し、それらの活動の重複を避け、規律手続きにおける決定の相互承認を促進するために使用される。

どんな情報をいつ収集?

結果管理権限機関(RMA)は、検査及びドーピング調査のための国際基準(ISTI)に従い、結果管理モジュールの中で、以下のタイプの情報を集約することができる(2021年現在、結果管理に関する国際基準にもとづく):

  • ADRVまたはADRVなしの決定、及びドーピング・コントロールフォーム、ミッション/テストオーダー、検査結果、治療使用特例(TUE)及びアスリートバイオロジカルパスポート情報などの関連する検査関連記録を含む、違反が疑われる分析結果報告(AAF)と非定型報告(ATF)
  • アンチ・ドーピング規則違反の記録(違反の回数、カテゴリー、規則違反の内容、意見、暫定的資格停止の詳細、日付(該当する場合)、及び聴聞内容を含む)
  • 居場所情報関連義務違反の記録(種類、日付、コメントを含む)
  • 制裁の記録(制裁ID、決定、内容と制裁期間、ADRVのカテゴリー、決定の理由を含む)
  • ISTI (及び、2021年現在のISRM)に従い、アスリートによって提供される関連説明、及びRMAによってアスリートに提供されるコミュニケーションまたは通知

誰に情報が共有されるか

検査権限機関及び結果管理権限機関(RMA)は、結果管理責任を果たすために、ADAMSにある結果管理関連情報を閲覧及び変更する権限を与えられている(陰性の検査結果、AAF/ATF、ADRV、及び制裁を含む)。また、WADA、及びRMAによって承認された他のADOも、制裁決定の相互承認と普及を促進するために必要な情報を見ることができる。

インテリジェンスドーピング調査

なぜ情報が収集される?

全てのADOは、ドーピングを抑止・検出し、効果的な検査戦略を実施することに役立つ全ての利用可能な情報源からアンチ・ドーピング情報を入手し、評価し、処理することが求められている。また、ADOは、アンチ・ドーピング規則違反が行われた可能性があると疑われるインテリジェンス情報、分析的または非分析的な情報を調査しなければならない。ADAMSは、これらのインテリジェンス収集及び調査機能をサポートするための情報源の1つとして機能する。

どんな情報をいつ収集?

全てのADAMS情報は、案件により、ADOのインテリジェンス情報収集及び調査関連活動を支援するために使用され得る。検査及びドーピング調査に関する国際基準に基づき、ADOは、アンチ・ドーピングの情報及び調査が安全かつ機密に取り扱われることを確保するための方針及び手順を備えていなければならない。

誰に情報が共有されるか

世界アンチ・ドーピング規程及び国際基準に基づき、ADOは、専門的な規制機関などの政府または他の機関と同様に、互いにアンチ・ドーピング情報を共有することが奨励される。ADOは、この目的のために共有される全ての情報が適用される法律に準拠し、調査に関連し、アンチ・ドーピングの目的のためにのみ共有されていることを確認しなければならない。

4. ADAMSにおける情報の保持期間

自動保持規則は、プライバシーと個人情報保護のための国際基準(ISPPPI)の附属書Aに記載されている保持時間に基づいて、ADAMSに組み込まれている。これらの自動処理により、保存期間が終了し情報は、ADAMS からデータが消去される。附属書Aに明記されていないデータについては、ISPPPI第10条に定められた基準に基づいて保有期間を定める。
ADOは、附属書Aに記載されている保持時間及びISPPPIに記載されている他の保持基準を尊重し、ADAMS外で維持するデータを管理する責任を負う。