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2025.11.26
【学ぼうシリーズ】クリーンスポーツ行動・習慣化:ルール違反の項目

世界アンチ・ドーピング規程(Code)に書かれたクリーンスポーツに関する「11トピックス」とは、スポーツに参加・関わるアスリートやサポートスタッフが知っておくべきクリーンスポーツに関する内容を11のトピックスに分類したもので、
JADAではわかりやすく7つのトピックスに分けて、その11トピックスをクリーンスポーツ・アスリートサイトに掲載しています。
今回は、11トピックスの中で「クリーンスポーツ行動・習慣化」のカテゴリーとして分類されている「ルール違反の項目」について学びましょう!
クイズの前に確認!
アンチ・ドーピングのルールに違反する項目を「アンチ・ドーピング規則違反(ADRV)」と言います。皆さんはアンチ・ドーピング規則違反が何項目あるか知っていますか?
アンチ・ドーピング規則違反は全部で11項目あり、「アスリートのみに適用される項目」と、「アスリートとサポートスタッフに適用される項目」があります。

実は、ドーピング検査の分析結果ではない証拠によって、アンチ・ドーピング規則違反が判断される場合があります。禁止される物質や方法の使用を試みることや、ドーピング検査を拒否すること、ドーピングに関する通報を阻止したり通報者に対して報復することなどは、ドーピング検査の分析結果以外の理由で違反に問われる行動です。
具体的にどのようなルール違反の項目があるかについては、「アンチ・ドーピング規則違反」で確認してみましょう。
クイズ
先ほど、ドーピング検査の分析結果以外の行動で違反に問われる項目があるとお話しましたが、
ドーピング検査の分析結果以外で違反になった件数は世界全体でどれくらいあると思いますか?
次の中から一つ選んでください。

答え
2「年間 約300件」です。

世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が公開している、2022年に発生したアンチ・ドーピング規則違反の報告レポート(英語のみ)によると、世界全体のアンチ・ドーピング規則違反の件数は1,652件で、そのうち276件がドーピング検査の分析結果以外の違反項目に該当するものであることが報告されています。2022年のアンチ・ドーピング規則違反全体の約16.7%にあたります。
なお、276件のうち、242件がアスリート、31件がサポートスタッフによる違反として報告されています。
皆さんはドーピング検査の分析結果以外の違反件数を読んでいただいて、「想像より多い!」と思ったでしょうか。または、「少ない」と感じられたでしょうか。このクイズを通して、ドーピング検査以外でも実際にアンチ・ドーピング規則違反に問われた事例があるということを知っていただいたと思います。
アンチ・ドーピングのルールは、世界中のアスリートや、スポーツに参加する全ての人の健康、フェアネス、平等な機会を保証し、推進していくことを目的としています(参考:クリーンスポーツのためのルール)。そのために、ドーピング検査の対象となるアスリートだけではなく、スポーツに参加する全てのアスリート、サポートスタッフ、その他の人が対象です。
「ドーピング検査の対象にならなければ、アンチ・ドーピング規則違反にはならない」ということではなく、スポーツに参加する1人として、アンチ・ドーピングのルールがどのようなものかを知り、競技会、競技会以外の場面でどのような意識・行動が必要か知っておくことが大切です。
アクション!
陸上競技(やり投げ)の北口榛花さんは、FAIR PRIDE アスリート動画 の中で、「(アンチ・ドーピングのルールを守り、クリーンスポーツ行動を取ることを)世界中のアスリートがやっているおかげで、フェアに競技ができ、自分たちの種目(スポーツ)が守られている」とお話されています。
スポーツに参加するアスリートがフェアに競技ができ、自身の大切なスポーツを守るために、ぜひアンチ・ドーピング規則違反の項目を確認し、大会または練習等の日頃の活動で皆さんが行っている行動の中に、アンチ・ドーピング規則違反に繋がる可能性があるものがないか確認してみましょう。
もし規則違反に繋がる可能性があるかどうか不安なことがある場合は、本アスリートサイトで、具体的にどのような行動を取ることが良いか確認しましょう。
クリーンスポーツ行動について学べるおススメコンテンツ
※11トピックスについては、11トピックスウェビナーで詳しく解説しています
