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2025.12.16
【学ぼうシリーズ】健康を守るため:薬の使用及び治療使用特例(TUE)

世界アンチ・ドーピング規程(Code)に書かれたクリーンスポーツに関する「11トピックス」とは、スポーツに参加・関わるアスリートやサポートスタッフが知っておくべきクリーンスポーツに関する内容を11のトピックスに分類したもので、 JADAではわかりやすく7つのトピックスに分けて、その11トピックスをクリーンスポーツ・アスリートサイトに掲載しています。
今回は、11トピックスの中で「健康を守るため」のカテゴリーとして分類されている「薬の使用及び治療使用特例(TUE)」についてまずは基本情報を確認し、クイズを通してポイントを学びましょう!
申請すれば必ず付与される? -TUEを取得するための4つの条件-
治療使用特例(以下、TUE)とは、病気やケガの治療のためにやむを得ず禁止物質・禁止方法を使用する必要がある場合に申請し、審査の結果、承認されることで特例として使用が認められる制度です。
では、そもそもTUEは何のためにあるのでしょうか?
スポーツでは、禁止物質・禁止方法を使用しないことが大原則です。しかし、病気やケガの治療のために、どうしてもそれらを必要とする場合もあります。そこで、「禁止物質は摂りたくないから、大会まで治療を我慢しよう」という判断は適切ではありません。
アスリートには自身の健康のため、適切な治療を受けスポーツに参加する権利」があり、その権利を守りながら、クリーンアスリートとして公平にスポーツへ参加するために、TUEがあるのです。
一方で注意したいのは、TUEは申請すれば必ず付与されるものではない、ということです。4つの条件すべてを満たしていることが証明された場合にのみ承認されるため、1つでも条件に当てはまらない場合は、承認が下りずTUEが付与されません。
TUEが付与されないまま、禁止物質を使用し続けることは、たとえ治療のための使用であったとしてもアンチ・ドーピング規則違反に問われる可能性があります。

TUE申請にあたっては、アスリートが責任をもって、申請書だけでなく、この4つの条件を満たすことを証明する資料を準備する必要があります。
ここでいう「4つの条件を満たすことを証明する資料」とは、病院での検査の結果や画像診断などの客観的な情報を含む資料を指します。これは、アスリートだけで用意できるものではないため、主治医から提供してもらう必要があります。
アスリートが主治医に対して「4つの条件にはどのようなものがあるのか」「なぜその情報が必要なのか」を説明しなくてはならないため、この4つの条件について理解を深めていきましょう。
あわせて確認しよう!:
薬の使用及び治療使用特例(TUE)|JADAクリーンスポーツ・アスリートサイト
クイズ
それでは、「TUEを取得するための4条件」を踏まえ、クリーンアスリートとしてどのように行動すべきか具体的な場面で考えてみましょう。
ドラッグストアで購入しようとしている風邪薬をGlobal DROで検索したところ、禁止物質を含まれていることがわかった。しかし、「TUEを申請すれば大丈夫だろう」と考え、そのまま購入して服用した。
この行動は、クリーンアスリートとして〇(適切)もしくは×(改善が必要)のどちらでしょうか。
